40代新米パパの育児休業日記

40代半ばにして長男しょうくん(仮名)誕生。半年にわたる育児休業中の奮闘記録。喜び,新たな発見,悩み,苦しみ,失敗談等,ありのままの育児休業ライフを綴る。

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初めての美術館-ムンク展で「叫び」とご対面!

 ムンク展ー共鳴する魂の叫び】

10月27日から来年1月までの間,上野の東京都美術館で「ムンク展ー共鳴する魂の叫び」が開かれている。かの有名な「叫び」(複数ある作品のうち,人物の瞳がなく,テンペラと油彩で描かれたもの。初来日)が最もメインの展示作ではあるが,それにとどまらず,巨匠ムンクの初期から最晩年までの約100点を集めた大回顧展だ。

中学生のころ,美術の教科書で初めて「叫び」を見た瞬間,視線がくぎ付けになった。絵の中心にいる人物の表情といい,鮮やかな色彩で大胆に描かれたうねるような背景の空や海といい,「叫ぶ」の放つオーラは強烈であり,魂を大きく揺さぶられる思いした。衝撃を受けたのは自分だけではなかったようで,「叫び」を取り上げた美術の授業の後には,耳を押さえた姿を真似たり,「叫び」風の絵を描くのが流行ったり,「叫び」インパクトはそれほどに強かった。

だから15年ほど前,仕事の関係でオスロを訪れる機会があったときには,迷わず「叫び」に会いに行った。本物との初対面に興奮しつつ,再び,大きく魂を揺さぶられるのを感じた。

そして,今回,「叫び」や「マドンナ」をはじめとする代表作を含む約100点もの作品が来日すると聞き,これは行くしかないと即座に思った。チケットを手に入れると,しょうくんを連れて,パパとママと3人で見に行くことにした。

【公式】ムンク展ー共鳴する魂の叫び

【平日の美術館へ】

平日に美術館に行くのはいつ以来だろうか。育児休業中であるからこそできる贅沢である。ムンク展ともなればそれなりの混雑は避けられないにしても,今は,同じ上野だけみても「フェルメール展」や「ルーベンス展」といった人気展覧会も開催されており,平日であれば,それほど混んではいないだろう,そう思っていたものの,甘かった。勿論,土日等に比べれば圧倒的に空いてはいたのだろうが,荷物を入れるためのコインロッカーも空きを見つけるのに一苦労,入場までも20分待ちであった。

しょうくんは,多くの人の中で,初めての美術館を楽しんでくれるだろうか。泣いたり,ぐずったりして,しょうくんはもとより,パパもママも美術鑑賞どころではなくなってしまうだろうか・・・。そもそも赤ちゃん連れで美術館に行っては周囲の方に迷惑だろうか。いざ入場する場面になって,パパの心配は募る。

【いよいよ入場】

不安を抱えつつも,しょうくんを抱っこひもで前向きに抱っこしながら会場に入る。20分待ちするくらいだからそれなりに人もいて,1つ1つの絵をじっくり目の前で見るという余裕はないものの,入場人数をコントロールしているせいか,入場前に危惧していたほどの混雑感はなかった。立ち止まるとしょうくんがご機嫌を損ねる可能性大なので,小さく体を揺らしながら,ゆっくりと進みつつ鑑賞をしていく。同じ方向を見ているしょうくんも,ムンクの作品に視線を向けている。泣き出したりもしていない。巨匠の作品をしょうくんなりに関心を持って見つめているようだ。

不意に視線を感じて,その視線を逆にたどると,他の来場客がしょうくんに温かな眼差しを向けている。次いで,目の前のしょうくんを見てみると,その来場客にほほ笑みかけている。パパも気づかないうちに,しょうくんは,他の来場客とアイコンタクトをしていたのだ。赤ちゃん連れで迷惑をかけるのでは,という心配もとりあえずは解消された。気づいてみれば,他にも赤ちゃん連れの来場客がちらほら!美術館は,思ったよりも赤ちゃんも優しかった!赤ちゃんがいるから,これもできない,あれもやめておこう,などと自制するばかりではつまらない。できるかどうか不安であれば,問い合わせるなどして確かめればよいのだし,案外,赤ちゃん連れでもできることは多い。赤ちゃんのためにも,自分のためにも,どんどんチャレンジしてもよいのではないだろうか。

 

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    会場の外に設けられた記念撮影コーナー。耳を手で覆う人物に視線を奪われるしょうくん!?

 

【9つのテーマの展示を進む。そして,「叫び」との再会!】

約100展ほどのムンクの作品は,おおむね時系列に沿って9つのテーマに分けられて展示されている。ムンクの家族関係や経歴,その時々の生活状況等についての説明を見つつ,作風やモチーフが変化が見て取れる数々の作品が並べられており,見ごたえ十分だ。

そして,いよいよクライマックスへ。ムンクが30代後半に描いたとされる「叫び」のコーナーに進む。しょうくんは,少し飽きてきたのか,時々,ぐずるような声を出して,パパとママを冷や冷やさせるが,大声を出すこともないので,何とか鑑賞を中断することなく続けられている。

「叫び」だけは,さすがにほかの作品とは異なり,あらかじめ整列し,立ち止まることなく進む形で鑑賞するよう交通整理がされていた。パーテーションの後方から,進みながら鑑賞する最前列の人の頭越しではあるが,じっくり立ち止まってみることも可能である。

約15年ぶりの再会,高まる興奮の中,「叫び」との再会を果たした。やはり,強烈なオーラを放つ作品である。この作品が作られた経緯や背景についての説明を読んだ上で見ただけに,より強いメッセージも感じられたような気がした。

しょうくんも,「叫び」にしっかり視線を送り,静かに鑑賞していた。パパにしてみても,自分自身が歩きながら,大切な瞬間を逃さないように必死に「叫び」を見つめていたし,若干視線を下げたところで,しょうくんの後頭部が見えるだけなので,しょうくんのどんな表情で見ていたのかはわからないが,きっと「叫び」との初対面をしょうくんなりに心に刻んでいたのだろう。

【いつの間にか】

 パーテーションの後ろで立ち止まってしばし「叫び」を見た後に,「マドンナ」等の作品が展示された次のテーマに進む。そんな中,しょうくんがにわかに重くなったような気がした。見てみると,頭を後ろにそらせて目を閉じている。さすがに疲れたのか,眠ってしまったようだ。目玉の作品がどれかをわきまえて,それを見た後で安心して眠りについたのかもしれない!?

ともあれ,パパとママは,これでしょうくんが大荒れになるなどする心配もなくなったと,ほっとする。残り約半分となった作品をじっくりと鑑賞した。ムンクが巨匠たる所以を実感することができる充実した展覧会だった。

【一緒に来られて幸せ!】

半分は夢の世界にいたとはいえ,しょうくんと一緒にムンクの作品を鑑賞できたのは,大きな喜びだった。しょうくんには,展覧会の意味を理解することも,今日の記憶を保持することも難しいだろう。しかし,それでも,「叫び」は,しょうくんの魂を揺さぶったのかもしれないし,美術に対する関心のスイッチを入れるきっかけになるかもしれない。

しょうくん,また,たくさん絵を見に行こうね!そして,いつか,そのときの感動を語り合えたら最高だね!

 

(^^♪ しょうくん生後10か月 育児休業2か月目

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